通関士の合格率がとてつもなく低い理由

通関士の合格率がとてつもなく低い理由

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通関士,合格率,試験,平成18年度,出題形式

通関士試験の合格率は、近年では10%を切る年も多い状況となっており、かなり合格率の低い難関試験であると言えます。

 

この合格率だけを見ると試験を受ける気も失せてしまいそうになりますが、そもそも、なぜこんなに合格率が低くいのでしょうか?

 

ここでは、過去の通関士試験の合格率の推移、そしてなぜここまで合格率が低くなってしまっているかを解説しておりますので一緒に探っていきましょう。

 

平成18年度から急激に合格率が下がっている

以下に昭和42年度〜平成26年度の全48回分の試験結果の情報とその合格率推移をまとめてみましたので、まずは過去の通関士試験の合格率がどのように推移しているのかを見ていきましょう。

通関士試験の過去の受験者情報一覧

年度 申込者数 受験者数 受験率 合格者数 合格率
昭和42年(第1回)

4,578人

3,913人

85.5%

795人

20.3%

昭和43年(第2回)

3,548人

2,530人

71.3%

769人

30.4%

昭和44年(第3回)

3,231人

2,229人

69.0%

462人

20.7%

昭和45年(第4回)

2,946人

1,806人

61.3%

476人

26.4%

昭和46年(第5回)

2,714人

1,755人

64.7%

354人

20.2%

昭和47年(第6回)

2,517人

1,548人

61.5%

365人

23.6%

昭和48年(第7回)

2,331人

1,482人

63.6%

303人

20.4%

昭和49年(第8回)

2,621人

1,746人

66.6%

341人

19.5%

昭和50年(第9回)

3,043人

2,138人

70.3%

428人

20.0%

昭和51年(第10回)

2,810人

1,970人

70.1%

375人

19.0%

昭和52年(第11回)

3,021人

2,115人

70.0%

365人

17.3%

昭和53年(第12回)

3,419人

2,330人

68.1%

397人

17.0%

昭和54年(第13回)

3,814人

2,587人

67.8%

442人

17.1%

昭和55年(第14回)

4,140人

2,737人

66.1%

437人

16.0%

昭和56年(第15回)

4,179人

2,739人

65.5%

533人

19.5%

昭和57年(第16回)

3,884人

2,709人

69.7%

474人

17.5%

昭和58年(第17回)

3,877人

2,610人

67.3%

412人

15.8%

昭和59年(第18回)

3,437人

2,398人

69.8%

374人

15.6%

昭和60年(第19回)

3,667人

2,622人

71.5%

343人

13.1%

昭和61年(第20回)

3,755人

2,760人

73.5%

425人

15.4%

昭和62年(第21回)

3,734人

2,701人

72.3%

506人

18.7%

昭和63年(第22回)

3,962人

2,832人

71.5%

515人

18.2%

平成元年(第23回)

4,436人

3,060人

69.0%

634人

20.7%

平成2年(第24回)

4,875人

3,431人

70.4%

602人

17.5%

平成3年(第25回)

5,656人

3,813人

67.4%

765人

20.1%

平成4年(第26回)

6,767人

4,775人

70.6%

1,157人

24.2%

平成5年(第27回)

8,517人

5,821人

68.3%

1,285人

22.1%

平成6年(第28回)

11,067人

7,389人

66.8%

1,639人

22.2%

平成7年(第29回)

13,033人

9,066人

69.6%

1,396人

15.4%

平成8年(第30回)

15,077人

10,564人

70.1%

1,720人

16.3%

平成9年(第31回)

15,780人

11,108人

70.4%

1,661人

15.0%

平成10年(第32回)

16,275人

11,639人

71.5%

1,394人

12.0%

平成11年(第33回)

16,258人

11,449人

70.4%

1,703人

14.9%

平成12年(第34回)

14,981人

10,289人

68.7%

1,446人

14.1%

平成13年(第35回)

13,886人

9,970人

71.8%

1,050人

10.5%

平成14年(第36回)

13,467人

9,973人

74.1%

2,848人

28.6%

平成15年(第37回)

13,556人

10,001人

73.8%

1,211人

12.1%

平成16年(第38回)

13,691人

10,191人

74.4%

1,920人

18.8%

平成17年(第39回)

13,268人

9,953人

75.0%

2,466人

24.8%

平成18年(第40回)

13,141人

10,357人

78.8%

725人

7.0%

平成19年(第41回)

13,727人

10,695人

77.9%

820人

7.7%

平成20年(第42回)

13,267人

10,390人

78.3%

1,847人

17.8%

平成21年(第43回)

13,159人

10,367人

78.8%

807人

7.8%

平成22年(第44回)

12,087人

9,490人

78.5%

929人

9.8%

平成23年(第45回)

11,760人

9,131人

77.6%

901人

9.9%

平成24年(第46回)

11,544人

8,972人

77.7%

769人

8.6%

平成25年(第47回)

11,340人

8,734人

77.0%

1,021人

11.7%

平成26年(第48回)

10,138人

7,692人

75.9%

1,013人

13.2%

通関士試験の過去の合格率推移

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平成17年度までの通関士試験の合格率については、大体10〜25%の間で推移しており、その間、合格率が10%を切ったことは一度もありませんでした。
しかし平成18年度の試験では合格率が7%となっており、前年が25%近くあったことを考えるとほぼ別モノの試験になっているとも言えるでしょう。

 

その後、平成20年に一度17%と少し合格率が上りましたが、以降の年度では10%以下の合格率で推移しております。

 

また、合格率推移の図からも見て取れますが、合格率の全体的なトレンドとしては低下傾向にあり、今後もこの流れは続くと予想されます。

 

ちなみに平成18年度の試験から問題の出題形式の難化、出題の問題数の増加が原因でこのような低い合格率に転落しております。
しかも、この出題形式の変更告知が試験年度の4月末と本試験まで5ヶ月ほどの期間しかない状況だったようです。。。

 

受験資格の制限がないのも合格率を下げる要因のひとつ

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通関士試験は「通関士の試験概要」の記事でもご紹介している通り、学歴や実務経験による受験制限がなく、いわば誰でも受験をすることが可能です。

 

また、受験料も3,000円と国家試験の中ではなかり安い部類に入りますので、とりあえずで申し込む方も多いでしょう。

 

誰でも気軽に申し込めるというのはもちろん良い点ではありますが、中にはほとんど試験対策をせずに受験に臨む方も少なくはないでしょう。

 

そうなってくると通関士試験の対策をきっちりと行っている方の割合もおのずと下がってしまいますので、結果的に合格率自体が全体的に低くなってくると考えられます。

 

もちろん先ほどご説明した、平成18年度からの試験形式の変更が合格率の低下に大きく関わっておりますが、それは受験生の試験対策レベルが変わっていないことで招いている結果だと言えます。

 

実は公表されている合格率よりも実態は低い?

近年で言えば、通関士試験の合格率は10%前後となっておりますが、この合格率の算出方法としては、以下の計算式で算出されております。

試験合格者数 ÷ 受験者数全体 ⇒ 通関士試験の合格率

 

この「受験者数全体」の中には本試験の科目免除者も1人としてカウントされており、純粋に3科目を受験した人数で言えば少し減少します。

 

ちなみに平成25年度の受験者の内訳としては、以下の人数となっております。

受験者数全体

8,734人

  通常受験者(3科目受験)

(7,788人)

  1科目免除者(通関実務)

(760人)

  2科目免除者(関税法他/通関実務)

(186人)

 

それぞれの受験形式での合格者数、および科目別の合格基準をクリアした人数は公表されておりませんので、3科目受験者の正確な合格率については定かではありません。

 

ただし、少なくとも受験者の1割程度は科目免除者であること、そして免除者の合格率は必然的に公表されている合格率よりも高い傾向にある(通関業務経験者なので)ことを踏まえると、おのずと3科目受験者の合格率は公表数値よりも低くなると予想できます。

 

以下は管理人の勝手なシュミレーションの結果となります。

【受験科目数別の合格率(管理人的シュミレーション)】
受験方式 受験人数 合格者数 合格率 補足

1科目免除

760人

228人

30.0%

2科目受験のため合格率を30%と仮定

2科目免除

186人

93人

50.0%

1科目受験のため合格率を30%と仮定

3科目受験

7,788人

700人

9.0%

合計

8,734人

1,021人

11.7%

 

まぁ、科目免除者の合格率については特に根拠はありませんが、受験科目数が少ない(難易度の高い通関実務がない)点を考慮すると、妥当な合格率ではないかと考えております。
で、結果として科目免除者がこの合格率で合格した場合、3科目受験での合格率は3%弱程下がると推測されます。

 

なので、3科目受験をされる方は公表の合格率よりは低めに考えておきましょう。

 

結論:合格率はあまり気にしないように!

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通関士試験の合格率は本記事で解説している通り、さまざまな要因により現在の10%前後の合格率となっております。

 

ただし、試験自体の合格基準としては受験者の上位○○人とかの判定ではなく、3科目それぞれで60%以上正解していることが条件となります。

 

なので、ここまで説明しといてアレですが、通関士試験の合格率のことはあまり気にせずに試験で60%をクリアすることにだけ専念するようにしましょう!

 

ちなみに、試験当日の受験会場では「コイツらほとんどヒヤカシだろ?」くらいのつもりで臨めば多少気は楽になると思いますよ。



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